テレワーク、空いた時間でなにしてる?
【一坪農園その4】夏野菜を植える季節がやってきた! そうだ、畑を開墾して広げよう
2025年5月16日 12:12
自宅で働くようになり、わずか一坪の庭(というか空き地)を耕すようになって1年。また、夏野菜の苗を植える季節がやってきた。在宅でコンピュータを相手にした仕事だと土いじりは実にいい気分転換になるし、初めて野菜を育てるならGW前後に植える夏野菜は最適だ。たとえ庭がなくても、プランターで栽培できるものもあるので、ぜひチャレンジしてみていただきたい。
狭い庭を耕し始めて1年が経った
庭……というのもおこがましいほどの、ベランダと柵のすき間で野菜を育て始めてから1年が経った。
何より感じるのは、季節との関係性のシビアさだ。家庭菜園シロウトだからこそ、季節を外した育成は難しい。そもそも苗がホームセンターで販売されていないし、季節外れの野菜を種から育てるのは難易度が高い。
家庭菜園をやったことがないと、つい「ゼロから育てたい」と、種からスタートしてしまいがち。しかし、0→1の部分が一番難しい。苗が貧弱だと、その先の育成も難しくなる。経験値が少ないうちは、苗で買うことをお勧めする。ホームセンターにはシーズンに合った育てやすい苗が並ぶので、それを買えば間違いないということでもある。
ITの世界にいると、製品の発売日には敏感でも、季節の移り変わりには鈍感になってしまいがち(笑)。スーパーには年中並んでいる野菜も多いが、あれは農家の方と、流通の絶え間ない努力によって成立している「プロの技」なのだ。我々シロウトが家庭菜園をやるなら、季節に合ったものを育てるというのが一番重要なポイント。そして、今、5月はまさに、一番育てやすい夏野菜の植え時なのだ。
ジャガイモを植えるのが遅れて、夏野菜が植えられない!
というところで、少し時間は戻る。昨年の夏野菜は、だいたい8~9月まで収穫できた。10月以降は、大根や水菜、ブロッコリーなど冬の野菜を植えていたが、こちらの話はまた機会があったら。これらは1月頃に収穫してしまった。
そこで、その後ジャガイモを植えようと1月に種芋を買ったのだが、ネットで検索すると春植えは2月下旬ぐらいに植えろと書いてある。そこで、1カ月ほど放置することになった。
しかしながら、2月は仕事が忙しかった。本来IT系ライターは2月はヒマなはずなのだが、今年は幸いにも忙しかった。さらに筆者は花粉アレルギーがあるので、2月になると花粉症がひどくなって「屋外に出るなんて、もってのほか!」という状態になってしまった。さらに2月は寒い。気になりながらも買ってきた種芋は放置。
……というわけで、買ってきた種芋を、ようやく植えることができたのは、3月も終わりになった頃だった。遅すぎる……。本職の農家の人だと、絶対にこういうことは許されないだろうけれど、そこは趣味なので、まぁいいか……とは思う。しかも、種芋ひと袋を植えたら、一坪の畑がいっぱいになってしまった。
問題は、収穫時期だ。いろいろ調べると、3月末に植えると収穫は6月中頃になるらしい。前述のように、GW時期に植えたい夏野菜と時期が重なってしまう。
ならば畑を開墾してしまおう!!
畑が広ければ、別のところに植えることもできるのだがそうもいかない。そうこうするうちに、ジャガイモの芽が出てきて、育ち始めた。
例によってビギナーズラックなのか、ずいぶんと立派に育ってきた。
家庭菜園の1年で、成長が早くて実りも多く、もっとも楽しいのは夏野菜だ。だから夏野菜を植えないわけにはいかない。
そこで、さらに庭を開墾して、可能な限り畑を広げることにした。それでもスペースは足りないので、今ジャガイモが植わっているところに植える予定の野菜の苗は、プランターで育てることにした。なんだか中途半端な気もするが、やむを得ない。まぁ、シロウトなので、失敗しても大きな問題があるわけではない。深く考えすぎないことにした。
というわけで、GWには苗を買いつつ、畑の拡張にトライすることにした。
これまで、ただ空き地になっていた部分を可能な限り畑にしつつ、前の居住者が切って放置していた木の根っこを抜くというチャレンジだ。
しかし、これまたけっこう手ごわい。
ネットで調べると、根を抜く用のジャッキを使うといいらしいが、さすがにこの根っこを抜いたら当分出番はなさそうだ。それにジャッキを使うにしても、ある程度は掘らなければならない。どうせ掘るなら……ということで、ツルハシと、枝切りノコを買ってきた。
根っこと戦うこと半日。根は途中で切断したものの、なんとか畑を拡張できるぐらいには抜くことができた。あと、これも前の住人が枯れたままにしていたツツジの根を3本ほど抜いた。重労働だったが、これが終わったらもう畑拡張の余地はないので、開墾作業はこれで終了になるだろう。
1年経って耕すことの大切さを知る
可能な限り、地面を掘り起こして耕した。固い土を掘り起こすにはツルハシがけっこう役に立った。
なるほど、人生でツルハシをこんなに使ったのは初めてだが、労働者の象徴のように使われる意味がよく分かった。固い土を開墾するには絶対必要な道具だ。ツルハシで土を起こして、スコップでひっくり返す。
1年やってみて、耕すことの大切さも少し分かってきた。
去年はほどほどに耕していたのだが、それだと根張りが十分でなかったり、大根などの根菜はいびつな形になることが分かった。
深く、土が柔らかくなるまで何度も耕すことで、細かい根が土に入りやすくなり、栄養の吸収もよくなる。また土に空気が入ることで、土の中に存在するバクテリアや放線菌、糸状菌などの根圏微生物が活性化する。筆者の専門である熱帯魚飼育で、飼育水に酸素が入っていた方が濾過槽や底砂の中のバクテリアが活性化するのと同様に、畑の作物も微生物に支えられており、酸素が必要なのだ。もちろん水分も含みやすくなる。
幼い頃、畑を耕していた祖父を見ていたが、こんな意味があるとは理解していなかった。
意味を理解すると、より深くしっかり耕そうと思う。また、もともと単なる空き地なので、土の中からはいくらでも小石やコンクリートの破片、木の根っこの切れ端が出てくるので、それらを排除していく。
ともあれ、なんとか従来の1.5倍ぐらいのスペースを確保した。これで一坪農園から、1.5坪農園へとランクアップだ。
ついつい、苗を買いすぎた
苗はGWの前に買いに行った。去年はGWの後に行ったのだが、やはり残り物は貧弱だった。早く買えば、太く、しっかりとした苗を選ぶことができる。健康な苗の方が、後々しっかり育つであろうことは言うまでもない。
キュウリ、ナス、ミニトマト、シシトウ、オクラ……などを買った。そして、植えられるものは新しく開墾したスペースに植えた。
キュウリとトマト、ピーマン、ナスは、しばらくプランターで我慢してもらうことにした。
その他、妻の意向で、モッコウバラとアジサイを植えた。
みなさんもできる状況であれば、ぜひ園芸にチャレンジしてみてもらいたい。デスクワークのいい気分転換になるし、普段使わない筋肉を使うのもいいと思う。自分で収穫した野菜を家で食べられるというのも幸せだ。
マンションのベランダでも、大きめのプランターを使えばトマトやナスも育てられるというし、ベビーリーフや、ネギ、バジル、シソなどはプランターでも簡単に育てられる。今ならまだ間に合うので、夏野菜から始めて
みてはいかがだろうか?
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